【FIL女子U19ラクロス世界選手権】大会レポート(8/4・第1戦 対USA)

2011/08/05

2011年8月4日。
19歳以下女子日本代表(以下、U19日本代表)は、前回大会で大会三連覇を果たしているUSAとの初戦を戦いました。
  (*掲載写真を追加しました 2011.8.6)

USA戦1小川選手

スコア
チーム 前半 後半 合計
日本 4 1 5
USA 12 7 19
得点者
U19女子
#10 寶田 倫子 (2)
#7 鈴木 由真 (1)
#9 石井 麻衣 (1)
#20 剱持 真衣 (1)
ゲームレポート
8月4日、現地時間17:00。U19日本代表は初戦のUSA戦を迎えた。
天気予報では、ここハノーバーは終日曇りのち雨の天気。しかし、試合時間には突き刺すよう日差しの快晴となり、グラウンドからの照り返しもあり気温はかなり上昇していた。
大会の初戦はどのチームにとっても難しい。環境への適応、データ不足、緊張、不安、期待等、様々な要因が普段の実力は発揮することを阻害する。
そんな不安を一掃するように、日本は最高の立ち上がりを見せる。

ドローこそ相手にコントロールされるものの、日本のプレスディフェンスが機能し、USAに簡単なシュートを撃たせない。
G(ゴーリー)の#1押村が枠内のシュートはしっかりと対応し、焦るUSAは悪い体勢からのシュートを連発し、枠外シュートの数を増やしていく。
相手に2点リードされての攻撃でクリアから繋いだボールを、AT#7鈴木が1対1から鮮やかに左を振りぬき、日本の攻撃も十分通用する事を証明する。

開始10分を1-2の僅差で凌ぐと、次の10分は互角の点の取り合いを演じる。
USAに2点連取され1-4での日本の攻撃で、ゴール裏からのフィードをMF#20剱持が合わせ2-4。
16分に1点返され2-5。
17分に1対1でAT#10寶田が仕掛け、ファールを誘い、フリーシュートを冷静に沈める。3-5。
18分にUSAに決められ3-6。
20分に日本が練習で積み重ねてきたとおりのピックを使い、完全にフリーとなったAT#10寶田が裏からのフィードを受けてファインゴールを決める。4-6。
ここで、USAによるタイムアウト。

会場も興奮に包まれ、「もしかしたら・・・」と淡く抱いた日本の期待を、本来の姿を現したUSAが残酷に打ち砕く。
22分、24分、24分、25分、25分と怒涛の5連続ゴールで4-11と一気に引き離す。
環境に適応し、試合中に相手を研究し、緊張、不安を取り除いたUSAを日本は止める手立てを持たず、28分にダメ押しの1点を追加され4-12で前半を折り返す。

後半開始からUSAは12点差をつけるべくエンジン全開で日本に襲い掛かる。
開始2分で2点を連取され4-14。
ここでAT#9石井がリバウンドを押し込み5-14とするも、一度スイッチの入ったUSAを止める事はできず、8分で5-17とされ、時間が得点後も時間が流れる12点差をつけられてしまう(※)。
安全地帯に入ったUSAはボールを回し始め、残りの予選リーグ戦を意識した戦い方に切り替える。お手本のようなボール回しから2点を追加され5-19の敗戦となった。
日本は最後までボールを奪いに行くことをやめず、自分の力とチームの力を出し切った。
(※国際ルールでは、試合時間は30分ハーフで、全てのオフボールで時計は止まる。但し、12点差がついた場合は、得点後のオフボールでも時間が流れる)

終わってみれば、まだ硬さの残るUSAのミスに乗じた序盤の接戦はあったが、「捕る・投げる・拾う」の基礎の差は雲泥の開きがあり大差での敗戦となった。
それでも、自分達の戦い方を最後まで心が折れずに貫けたのは、次への収穫であろう。

明日は日本のライバル、イングランドとの一戦である。気持ちを切り替えて、大事な一戦に臨んで欲しい。

押村選手USA戦2
<左:序盤、アメリカの攻撃を防いだG・押村選手/右:最高の立ち上がりを見せた日本代表>

出原選手USA戦3
<左右:「捕る」「投げる」「拾う」といった基礎技術で、アメリカとはまだまだ雲泥の差があった>

USA戦4横田選手稗田選手
<技術の差は否めなくても、最後まで喰らいつき、ボールを奪いにいく日本代表の選手たち>


フォトギャラリーには、他にもたくさんの大会風景・写真を掲載していきます。
ぜひ、ご覧下さい。

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Text by:日本ラクロス協会今大会Country President・佐藤壮(2009年女子日本代表ヘッドコーチ)
Photo by:日本ラクロス協会広報部・大木佳奈、19歳以下女子日本代表マネージャーリーダー・會田好美