第12回ラクロス全日本クラブ選手権・女子決勝戦
2010/12/05
第12回ラクロス全日本クラブ選手権
日時:2010年11月20日(土) 11:00試合開始
場所:東京・大井中央ふ頭海浜公園陸上競技場
女子決勝戦:
MISTRAL(東日本リーグ戦1位) vs Sibylla(東日本リーグ戦2位)
スコア
得点者
審判
ゲームレポート
第12回ラクロス全日本クラブ選手権女子決勝。MISTRAL対Sibyllaが大井陸上競技場にて行われた。クラブの日本一を決する試合は、今年も東日本所属チーム同士の対戦になった。
常 に圧倒的な攻撃力を誇りながらも、大切な試合を落とし、3年間無冠のMISTRAL。高い運動能力持ち、いくつもの激戦を制し勢いに乗っている、昨年度の 覇者Sibylla。リーグ戦の対戦成績は、MISTRALに軍配が上がっている。しかし、両チームの実力は拮抗しており、どちらのチームにも十分に勝機 はある。
クラブ選手権日本一をかけた、試合開始のホイッスルが鳴る。試合開始序盤から互いにシュートを打ち合い、速い展開でゲームは進 む。しかし、両チームのDFのプレッシャーが強く、なかなかシュートが入らない。Sibyllaのゾーンは裏へもプレッシャーにいき、MISTRALの得 意とする裏からの展開をつぶす。対するMISTRALは、起点をすぐにサイドエリアに変更し波状攻撃をしかけ、Sibyllaのゾーンが引き出される。前 半7分、そこを見逃さず、起点となる#11和田(亜)からのフィードに、ゴール前で上手く合わせた#12水野が落ち着いて先取点を奪う。しかし、直後に Sibylla#14亀岡が裏から得意の1対1を決め、1-1すぐに同点にする。
前半10分。#12水野が強烈なロングシュートを決めると、今 度はSibylla #4高安がゴール前の混戦の中、こぼれ球にいち早く反応し、そのままシュートを押し込む。ここからMISTRALの速いボール回しとATの波状攻撃に、段 々とSibyllaのプレッシングラインが低くなり始めてしまう。そんな中、#11和田(亜)が上から1対1をかけ、DFの目が集中した瞬間にゴール前で 待っていた#38長岡(妹)にフィードが通りシュートが決まる。しかし、その1分後、お返しとばかりに今度はSibylla #14亀岡の一瞬の隙をついたゴール裏からのフィードに、#7高橋がクイックシュートを決め、再び3-3の同点。
両者一歩も譲らないシーソー ゲームに観客が沸く。その後も両チームは、何度もゴール前に迫るが、なかなか得点にはつながらない。しかし、徐々にMISTRALのペースになり始める。 前半20分、#8和田(さ)が速攻の流れをそのままにシュートを決める。ここで、たまらず、この試合を通じて初めてのタイムアウトをSibyllaが取 る。流れを引き戻したいSibyllaだが、逆に22分MISTRAL #17長岡(姉)の技ありのシュート、前半終了間際にも#11和田(亜)のロングシュートと、立て続けに2点を取られてしまい、6-3のMISTRAL リードでハーフタイムに突入する。
後半がスタートする。後半の先制点を取りたい3点ビハインドのSibyllaは、序盤から攻勢をかけるが、最初に点を取ったのはMISTRALだった。後半開始2分。#17長岡(姉)がゴール右横から逆サイドのスペースにボールを投げ込む、そこに#12水野が飛び込み鮮やかなシュート。歓声が響く。#12水野はこれで3点目。チームを支えてきたベテラン二人が、抜群の連携で大切な1点を決める。焦りが見え始めたSibyllaは、MISTRALのDF陣の早いプレッシャーにリズムを崩され、果敢にシュートを撃ちはするものの、なかなか良い形ではシュートを撃たせて貰えない。そんな中、MISTRAL #70松井が自陣ゴール前でインターセプト、そのまま自らパスランで速攻を作り、最後は#11和田(亜)にアシスト、和田もこれを正確に決め、8-3。点差が5点に広がる。
後半5分。ここでSibyllaが早くも2回目のタイムアウトを使う。この判断が見事功を奏し、後半11分、Sibylla #29渡邊が切り込み1点を返す。8-4で4点差。更に後半13分、Sibylla #34増田がほぼ角度のない様に見えた所からシュートを決める。この意地の2連続得点で8-5。残り10分で3点差。ここまで激戦を制してきた、勝負強さが見える。すかさずMISTRALもタイムアウトを取る。
タイムアウト明け、MISTRAL #70松井が早い切り替えで速攻を作り、Sibyllaの流れを切るシュートを叩き込む。9-5。試合を決定付ける1点が決まる。その後、Sibyllaも必死の猛攻をかけるが、MISTRALのDF陣の息の合った連携とゴーリーの好セーブによりシュートが決まらず、Sibylla #38田島のシュートも入ったかに思えたが、ファールによりノーゴール。後半21分には、MISTRAL新人の#7濱園がダメ押しのシュートを決め10-5となり、そのまま試合終了。MISTRALが3年ぶりにクラブチーム日本一に輝いた。
MISTRALは、チーム全員がそれぞれの役割を確実に果たし、手にした3年ぶりのタイトルであり喜びも格別であろう。その中でも特に全10点中7点に絡む活躍を見せた#11和田(亜)選手と、勝負所を見逃さずに攻守にしっかりと結果を残した#70松井選手の存在はチームの中でも際立っていた。Sibyllaとしては最後まで流れに乗れずに、チームの良い所がなかなか出なかった。しかし、ここまで激戦を制してきた事からも分かるように、接戦や厳しい試合の中で勝つという経験・底力があるチームである。これからすぐに修正をして来るであろう。
彼女たちが見据える先には、12月19日に行われる全日本選手権大会決勝がある。殆どのチームがシーズンを終えた中、「まだラクロスが出来る」この幸運で実力のある2チームが、クラブチームの誇りをかけて、ハイレベルで面白いラクロスを今年の冬も熱く展開してくれる事を期待する。
・Report:山本萌衣(FUSION所属)
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
*「第12回ラクロス全日本クラブ選手権」フォトギャラリーへ
日時:2010年11月20日(土) 11:00試合開始
場所:東京・大井中央ふ頭海浜公園陸上競技場
女子決勝戦:
MISTRAL(東日本リーグ戦1位) vs Sibylla(東日本リーグ戦2位)
スコア
チーム
|
前半
|
後半
|
TOTAL
|
MISTRAL
|
6
|
4
|
10
|
Sibylla
|
3
|
2
|
5
|
得点者
MISTRAL | Sibylla |
#12 水野華奈 (3)
|
#4 高安桂子 (1)
|
#11 和田亜紀子 (2)
|
#7 高橋えり (1)
|
#7 濱園千裕 (1) | #14 亀岡真美 (1) |
#8 和田さくら (1) | #29 渡邊奈緒 (1) |
#17 長岡良江 (1) | #34 増田絵利 (1) |
#38 長岡美陽 (1) | - |
#70 松井理紗 (1) | - |
審判
新開江梨子 |
野田淑子 |
五東幸子 |
山田章子 |
ゲームレポート
第12回ラクロス全日本クラブ選手権女子決勝。MISTRAL対Sibyllaが大井陸上競技場にて行われた。クラブの日本一を決する試合は、今年も東日本所属チーム同士の対戦になった。
常 に圧倒的な攻撃力を誇りながらも、大切な試合を落とし、3年間無冠のMISTRAL。高い運動能力持ち、いくつもの激戦を制し勢いに乗っている、昨年度の 覇者Sibylla。リーグ戦の対戦成績は、MISTRALに軍配が上がっている。しかし、両チームの実力は拮抗しており、どちらのチームにも十分に勝機 はある。
クラブ選手権日本一をかけた、試合開始のホイッスルが鳴る。試合開始序盤から互いにシュートを打ち合い、速い展開でゲームは進 む。しかし、両チームのDFのプレッシャーが強く、なかなかシュートが入らない。Sibyllaのゾーンは裏へもプレッシャーにいき、MISTRALの得 意とする裏からの展開をつぶす。対するMISTRALは、起点をすぐにサイドエリアに変更し波状攻撃をしかけ、Sibyllaのゾーンが引き出される。前 半7分、そこを見逃さず、起点となる#11和田(亜)からのフィードに、ゴール前で上手く合わせた#12水野が落ち着いて先取点を奪う。しかし、直後に Sibylla#14亀岡が裏から得意の1対1を決め、1-1すぐに同点にする。
前半10分。#12水野が強烈なロングシュートを決めると、今 度はSibylla #4高安がゴール前の混戦の中、こぼれ球にいち早く反応し、そのままシュートを押し込む。ここからMISTRALの速いボール回しとATの波状攻撃に、段 々とSibyllaのプレッシングラインが低くなり始めてしまう。そんな中、#11和田(亜)が上から1対1をかけ、DFの目が集中した瞬間にゴール前で 待っていた#38長岡(妹)にフィードが通りシュートが決まる。しかし、その1分後、お返しとばかりに今度はSibylla #14亀岡の一瞬の隙をついたゴール裏からのフィードに、#7高橋がクイックシュートを決め、再び3-3の同点。
両者一歩も譲らないシーソー ゲームに観客が沸く。その後も両チームは、何度もゴール前に迫るが、なかなか得点にはつながらない。しかし、徐々にMISTRALのペースになり始める。 前半20分、#8和田(さ)が速攻の流れをそのままにシュートを決める。ここで、たまらず、この試合を通じて初めてのタイムアウトをSibyllaが取 る。流れを引き戻したいSibyllaだが、逆に22分MISTRAL #17長岡(姉)の技ありのシュート、前半終了間際にも#11和田(亜)のロングシュートと、立て続けに2点を取られてしまい、6-3のMISTRAL リードでハーフタイムに突入する。
後半がスタートする。後半の先制点を取りたい3点ビハインドのSibyllaは、序盤から攻勢をかけるが、最初に点を取ったのはMISTRALだった。後半開始2分。#17長岡(姉)がゴール右横から逆サイドのスペースにボールを投げ込む、そこに#12水野が飛び込み鮮やかなシュート。歓声が響く。#12水野はこれで3点目。チームを支えてきたベテラン二人が、抜群の連携で大切な1点を決める。焦りが見え始めたSibyllaは、MISTRALのDF陣の早いプレッシャーにリズムを崩され、果敢にシュートを撃ちはするものの、なかなか良い形ではシュートを撃たせて貰えない。そんな中、MISTRAL #70松井が自陣ゴール前でインターセプト、そのまま自らパスランで速攻を作り、最後は#11和田(亜)にアシスト、和田もこれを正確に決め、8-3。点差が5点に広がる。
後半5分。ここでSibyllaが早くも2回目のタイムアウトを使う。この判断が見事功を奏し、後半11分、Sibylla #29渡邊が切り込み1点を返す。8-4で4点差。更に後半13分、Sibylla #34増田がほぼ角度のない様に見えた所からシュートを決める。この意地の2連続得点で8-5。残り10分で3点差。ここまで激戦を制してきた、勝負強さが見える。すかさずMISTRALもタイムアウトを取る。
タイムアウト明け、MISTRAL #70松井が早い切り替えで速攻を作り、Sibyllaの流れを切るシュートを叩き込む。9-5。試合を決定付ける1点が決まる。その後、Sibyllaも必死の猛攻をかけるが、MISTRALのDF陣の息の合った連携とゴーリーの好セーブによりシュートが決まらず、Sibylla #38田島のシュートも入ったかに思えたが、ファールによりノーゴール。後半21分には、MISTRAL新人の#7濱園がダメ押しのシュートを決め10-5となり、そのまま試合終了。MISTRALが3年ぶりにクラブチーム日本一に輝いた。
MISTRALは、チーム全員がそれぞれの役割を確実に果たし、手にした3年ぶりのタイトルであり喜びも格別であろう。その中でも特に全10点中7点に絡む活躍を見せた#11和田(亜)選手と、勝負所を見逃さずに攻守にしっかりと結果を残した#70松井選手の存在はチームの中でも際立っていた。Sibyllaとしては最後まで流れに乗れずに、チームの良い所がなかなか出なかった。しかし、ここまで激戦を制してきた事からも分かるように、接戦や厳しい試合の中で勝つという経験・底力があるチームである。これからすぐに修正をして来るであろう。
彼女たちが見据える先には、12月19日に行われる全日本選手権大会決勝がある。殆どのチームがシーズンを終えた中、「まだラクロスが出来る」この幸運で実力のある2チームが、クラブチームの誇りをかけて、ハイレベルで面白いラクロスを今年の冬も熱く展開してくれる事を期待する。
・Report:山本萌衣(FUSION所属)
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
*「第12回ラクロス全日本クラブ選手権」フォトギャラリーへ
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