【日本ラクロスの四半世紀・第19回】 2002年・男子日本代表の躍進
2012/06/21
2002年(平成14年) |
5月 |
日本代表プロジェクト推進委員会(NPC)によるN Pool制度に基づき、男女のN21(21歳以下National Pool指定選手団)が活動を開始。 日本代表と同じ戦術を若年層の段階から浸透させることと、海外でのトーナメントで経験と実績を積むこと等を目的として強化遠征を実施した。 ※女子N21:ベルリンオープントーナメント2002に出場し、優勝(5月17~23日、ドイツ・ベルリン) ※男子N21:インターナショナルオープントーナメントに出場し、5位(7月5日~13日、オーストラリア) |
東海地区で、第1回でらうま杯を開催(5月19日~6月) ※当時のフィールドレポートページ(男子)はこちらから (アーカイブページが開きます) ※当時のフィールドレポートページ(女子)はこちらから (アーカイブページが開きます) |
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6月 |
第14回ラクロス国際親善試合を開催。 日本ラクロスが始まって以来、日本にラクロスを根付かせる際の中心的な支援を行ってきたジョンズホプキンス大学が来日し、男子日本代表と対戦した。第1回国際親善試合の時は、本戦は外国チーム同士の戦いであったため、日本代表と正式に試合を行うのは初である。試合は、日本代表が9-19で敗れた。 ※当時の国際親善試合特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
7月 |
第9回ILF男子世界大会に参加(6~14日、オーストラリア・パース、参加15ヶ国) RedDivisionを全勝で通過した日本は、イングランドとの順位決定戦に勝利して総合5位となり、次大会でのBlueDivision昇格を決めた。 ※BlueDivision:USA、カナダ等が属する最上位Division ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
8月 |
Teen's Lacrosse International Friendship Games 2002 Summer を開催。 (8~9日、東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場) 英・Wycombe Abbey Schoolが来日し、関東Teen's Lacrosseとの試合・交流を行った。 |
10月 |
日米国際親善試合を開催(26~27日、東京・駒沢オリンピック公園第1球技場) 米・Crease Monkeys(男・女)が来日し、日本代表等との試合・交流を行った。 ※当時の大会概要ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
沖縄で初となる国際交流戦を開催(12~13日、沖縄・北谷町立陸上競技場) MCCS(Marines Corps Community Service:海兵隊コミュニティーサービス)、MEF(Marine Expeditionary Force:第三海兵遠征軍)の協力の下、九州選抜(男)とOKINAWA Marinesの試合を実施した。試合は7-6で九州選抜が勝利した。 |
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11月 |
第4回全日本クラブ選手権を開催。初めて、全国大会の決勝戦を東海地区で実施した。 (4~23日、決勝戦:愛知・半田運動公園陸上競技場) 男子は、VALENTIAがNLC HORNETZを16-9で下し、3連覇を果たした。 女子は、WISTERIAとCHELを、サドンデス・ラスト1分までもつれ込む熱戦の末に下し、2連覇となった。 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
12月 |
第13回全日本選手権大会開催(7~15日、決勝戦:東京・江戸川区陸上競技場) 女子・WISTERIAが、CHELとの激闘を制し、大会連覇記録を7連覇に伸ばした。 男子は、男子決勝戦として初のサドンデスにもつれ込むこととなった激戦の末、VALENTIAが慶應義塾大学を下し、男子チームとして初の4連覇を果たした。 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
この大会での4地区予選(男子)で1位となった東北大学が、東北地区のチームとして初めて全日本選手権・本戦の舞台にたった。 |
男子日本代表の躍進 |
総合5位となった日本は、次大会で、USA・カナダ・オーストラリア・イラコイナショナルズという強豪が揃うBlueDivisionに昇格することとなった。
後日まとめられた日本代表活動報告書には、以下の通り総括が記載されている。
『1998年の世界大会で、「速く早いラクロス」を確立し世界に第1歩を踏み出した男子日本代表は、この「速く早いラクロス」の完成度を高めるとともに、諸外国に比べ日本が優位に立てる”賢さ”を生かした戦術・戦略を追求し、イングランドを破って、男子ラクロスの先進国(ブルーディヴィジョン)の仲間入りを果たすことができた。限られた人的・物理的な資源の中、本活動の選手・スタッフ、関連役員のみでなく、日本上陸後、15年間にラクロスに関わった全ての人間の成果として素直に誇りとして捉えるべきである。』
RedDivision 第1戦 | 対 スウェーデン | 19-4 | |
RedDivision 第2戦 | 対 ドイツ | 11-5 | |
RedDivision 第3戦 | 対 チェコ | 16-5 | |
RedDivision 第4戦 | 対 スコットランド | 10-8 | |
RedDivision 第5戦 | 対 ウェールズ | 21-8 | |
プレイインゲーム 第1戦 | 対 イラコイナショナルズ | 19-14 | 延長戦 |
プレイインゲーム 第2戦 | 対 ドイツ | 8-7 | |
5位決定戦 | 対 イングランド | 13-12 |
[左:男子日本代表 / 右:接戦を制したスコットランド戦]
[左:ウェールズ戦を勝利しRedDivisonを全勝で通過 / 右:プレイインのイラコイ戦は延長戦にもつれ込んだ]
[左:試合終了間際に2点を奪い逆転勝ちを収めたドイツ戦/右:順位決定戦を勝ち、BlueDivision昇格を決めた]
7連覇と4連覇 |
女子は、「サイドラインルール」を適用する初めての全日本選手権となった。
(それまでの女子ラクロスは、目安のラインは引かれていたものの、サイドラインは存在しなかった)
そして、決勝戦に進出したWISTERIAとCHELは、この年激しい争いを見せた。
10月27日に東京・桜美林大学グラウンドで実施した東日本クラブチームリーグ決勝戦は、CHELが8-6でWISTERIAを下し、リーグ戦でのWISTERIAの5連覇を阻止し、リーグ戦初優勝を決める。
一方、11月23日に愛知・半田運動公園陸上競技場で実施した全日本クラブ選手権決勝戦は、WISTERIAが延長戦の末、8-7でCHELを下して優勝した。
そして、全日本選手権決勝戦は、シーソーゲームの末に、WISTERIAがCHELを5-4で下し、大会7連覇を果たした。
男子・決勝戦は、VALENTIAと慶應義塾大学との対戦となった。
全日本選手権の場でVALENTIAと慶應義塾大学が対戦するのは3年連続であり、準決勝戦で対戦した過去2年の試合結果は、2000年は12-10、2001年は12-9という接戦でのVALENTIAの勝利であった。
そして、この年の全日本選手権決勝戦も、シーソーゲームの末に、男子決勝戦で初となるサドンデスにもつれ込む激闘となったが、VALENTIAが決勝点をあげ、9-8で、男子として初となる大会4連覇を果たした。
なお、決勝戦で、シュート30本中14本をセーブした篠原貴彦(VALENTIA)がMVPを、同56本中24本をセーブした宇田川和彦(慶應義塾大)がVPを受賞し、男子として初めて、MVP・VPの両方をゴーリーが受賞する大会となった。
[左:この年激闘を繰り返したWISTERIAとCHEL / 右:史上初の大会7連覇を達成したWISTERIA]
[左右:VALENTIAと慶應の試合は、シーソーゲームの末、男子決勝戦で初となるサドンデスにもつれ込んだ]
国際交流 |
[左:第1回大会以来、13年振りに来日したジョンズホプキンス大学 / 右:関西大会、米・西海岸学生選抜]
[左:東海大会、OKINAWA Marines / 右:沖縄で初めて実施した国際交流戦]
[左右:クリースモンキーズと日本代表の試合は、男子は17-15、女子は12-5で、日本代表が勝利した]
[左右:日米親善試合は国内地区リーグ戦の真っ最中の上、初日は大雨になるにも関わらず、多くの観客が来場]
[左:Teen's親善試合/右:国際交流試合の運営は、それぞれの地区の学生・社会人スタッフが協力して当った]
[左右:21歳以下日本代表。若年層強化と海外での経験蓄積を目的に、21歳以下日本代表の活動も開始]
大会結果 |
世界大会 | 優勝 | 日本代表の成績 |
第9回ILF男子世界大会 | USA | 総合5位 |
国際試合 | 来日チーム(男子) | 来日チーム(女子) |
第14回ラクロス国際親善試合 |
米・Johns Hopkins University 米・西海岸学生選抜 米・Okinawa Marines |
- |
日米国際親善試合 | 米・Crease Monkeys | 米・Crease Monkeys |
Teen's国際親善試合 | - | 英・Wycombe Abbey School |
全国大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第13回ラクロス全日本選手権大会 | VALENTIA | WISTERIA |
第4回全日本クラブ選手権大会 | VALENTIA | WISTERIA |
第4回全日本ユース選抜選手権 | 関東ユース選抜 | 関東ユース選抜 |
地区大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第8回北海道ラクロスリーグ戦 | 北海道大学 | 北海道浅井学園大学 |
第9回東北ラクロスリーグ戦 | 仙台ラクロスクラブ | 東北大学 |
第15回関東学生ラクロスリーグ戦 | 慶應義塾大学 | 日本女子体育大学 |
第11回東海学生ラクロスリーグ戦 | 信州大学 | 南山大学 |
第13回関西学生ラクロスリーグ戦 | 神戸大学 | 同志社大学 |
第10回中四国ラクロスリーグ戦 | 岡山大学 | 岡山大学 |
第11回九州ラクロスリーグ戦 | 九州大学 | F.EMPRESS |
第12回クラブチーム東日本リーグ戦 | VALENTIA | CHEL |
第9回クラブチーム西日本リーグ戦 | NLC HORNETS | 神戸ラクロスクラブ |
中高生大会 | 優勝(女子) |
第7回Teen'sCup | リバティーズ(山村女子高等学校) |
第7回Teen'sCup関西 | CHERRY'S (立命館宇治高等学校) |
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