2011年ラクロス日本代表トライアルゲームシリーズ(東京)・男子戦[ゲームレポート]

2011/06/11

日時:2011年6月5日(日) 14:30試合開始
場所:東京・江戸川区陸上競技場


22歳以下男子日本代表(白) vs 男子日本代表(青)

試合風景1試合風景2

ゲームレポート

2011年6月5日、ラクロス日本代表トライアルゲームシリーズが東京・江戸川区陸上競技場にて行われた。
日本のラクロスを総結集した日本代表と、日本の大学のラクロスを総結集した22歳以下日本代表(以下、U22代表)が、お互いのプライドを賭けて、今戦う。

第1クウォーター(以下、第1Q)開始早々、フェイスオフ後のグラウンドボールを制したU22代表がファーストシュートを放つも、これを日本代表#1篠原が好セーブ。その後、素早いクリアからラストパスを受けた日本代表#7池川がしっかりとU22代表のゴールにシュートを決めて先制点を奪う。
流れを掴んだ日本代表は立て続けに#9継、池川が追加点を奪い、試合は開始7分で3-0に。
その直後、負けじとU22代表の#12深澤がサブマリン(※)のパスを受け、落ち着いてシュートを決める。
喰らいつくU22代表であったが、日本代表はU22代表の追随を許さなかった。第1Q終了2分前に差し掛かったところで、パスを受けた日本代表・池川がゴール右上からの鋭いミドルシュートを決め、場内を沸かせる。池川はこれで本日3点目の得点となる。その直後、日本代表#5塚田が追加点を決め、日本代表4点リードの、5-1で第1Q終了。

第2クウォーター(以下、第2Q)、流れを掴み日本代表に喰らいつきたいU22代表は開始5分、U22代表#4佐々木の絶妙なパスを#9田中(篤)がしっかりと決め、試合は5-2に。
田中(篤)の一撃で、まだまだ試合は分からないと思ったその直後、すでに3点をあげている日本代表・池川が継のゴールをアシストし、その2分後には池川自らも継からのアシストで本日4点目のゴールを決める。
追いすがりたいU22代表であったがゴーリーのパスカットで作ったブレークチャンスも上手く活かせず、逆に日本代表#11松下に追加点を許してしまう。
焦るU22代表はミスが続き、#15鈴木のホールディングのファールで日本代表に30秒のエキストラマンオフェンスを与えてしまう。このチャンスを日本代表#16藤平が確実に物にし、鋭いシュートでU22代表のゴールネットを揺らした。
その後、落ち着きを取り戻したいU22代表が2度目のタイムアウトを取るも、再開直後、日本代表#3関根のゴール前の見事なスクープからパスを受けた池川が本日5点目となる得点を挙げ、試合は10-2。日本代表優勢で第2Q終了となる。

試合風景3試合風景4

第3クウォーター(以下、第3Q)。フェイスオフを制したU22代表であるが、#10夏目がフリーとなった深澤にパスをするも、深澤はこれを決められずゴーリーにセーブされてしまう。
日本代表に移ったボールは池川に渡り、ゴール右上から放たれた鋭いミドルシュートは枠外に逸れたが、このボールをゴール左下に居た藤平が鮮やかにキャッチし、アウトオブバウンズだと思い込んでしまったU22代表のディフェンス陣を襲い、落ち着いてゴールを決める。U22代表にとっては痛恨のミスになってしまった。
この後、日本代表のスラッシングのファールでU22代表は60秒のエキストラマンオフェンスのチャンスを得るも、ミスによりボールを失ってしまう。このボールをオフェンスコートに冷静に運んだ日本代表は、継が更なる追加点を奪う。
その後も日本代表のファールでエキストラマンオフェンス等のチャンスを得ていたU22代表だが、ミスを重ね、逆に日本代表にブレークチャンスを与えてしまう。このチャンスを活かし、日本代表・関根がゴール左下から中に切れ込んでからのシュートを決め、13-2と日本代表がリードを広げた。
このまま第3Qも終わりかと思われたが、終盤に流れが変わる。
U22代表#3大庭がゴール前に鋭いパスを通し、これを#2田中(裕)がしっかりと決めた。直後にはU22代表・田中(裕)のアシストで鈴木がゴールを奪い、続いて#11山口がゴール右下からゴール前に1人で切れ込みゴールを奪う。
U22代表が良い流れを掴み、試合は、13-5とU22代表が追い上げた状態で、第3Q終了となる。

第4クウォーター(以下、第4Q)。第3Qに続いて良い流れを掴んだU22代表。
開始4分、ボールを受けた#23林田が、ゴール右上から一人でゴール前に切れ込み、渾身のシュートを放って日本代表から得点を奪う。
その後、フェイスオフから日本代表がブレークをつくるも、U22代表のゴーリーがこれを好セーブ。そのボールをオフェンスコートに運んだU22代表は、日本代表#12岡部によるスラッシング3回という判定での3分間のエキストラマンオフェンスというチャンスを得た。
だが、逆にこのピンチに奮起した日本代表。マンダウンディフェンスという状況下でボールを奪った日本代表は、松下のゴール右上からクリース付近への絶妙なラストパスから塚田が本日2点目のゴールをあげる。さらに続いて、同じような状況で関根からのラストパスを継が落ちついて決め、本日3点目をあげた。
U22代表はエキストラマンオフェンスの最中に2度のシュートを放つも、得点を奪えないままエキストラマンオフェンスを終える形となり、日本代表の力を見せ付けられることに。
終盤、ゴーリーセーブから素早い展開で作り出したブレークでU22代表#3・大庭が得点したが、最後には、日本代表ゴーリー#2佐々木が、セーブした後自らの足でオフェンスコートまでボールを運びシュートを決めるという、最高の見せ場を演出した。
試合は16-7の日本代表勝利で幕を閉じた。

日本代表は2010年に行われた世界選手権大会での4位の力を我々に見せ付け、今後の世界での更なる活躍を期待させてくれる試合をし、見る者を魅了した。
次回の2014年世界選手権大会でも、日本のラクロスの力を世界に轟かせてくれることを期待したい。
惜しくも敗れたU22代表はこの対戦で下を向くことなく、胸を張って、7月からニュージーランドで行われるアジアパシフィック大会(ASPAC)に挑み、2大会連続の優勝を目指して全力で頑張ってもらいたい。

※サブマリン:
 オフェンスの選手が、ゴール裏からカットインをし、トップにいるMFから直接パスを受けてゴールを狙うプレー。


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・Text:日本学生ラクロス連盟東日本支部広報委員会・広沢隆也
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満