ヨーロッパ選手権大会2012:日本人審判員派遣報告

2012/09/19

2012年6月20日~30日にかけて開催されたEuropean  Championships Lacrosse 2012(ヨーロッパラクロス選手権大会)に、日本から派遣された審判員が参加した。

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European  Championships Lacrosse 2012 はオランダ・アムステルダムで開催された、男子17ヶ国、女子12ヶ国が参加するヨーロッパを代表する大会です。6月20日から6月30日までの期間で開催され、会場の隣では40以上のクラブチームが参加するフェスティバルやクリニックなども行われました。

この大会に、日本人審判員として、福田彩審判員(女子競技・関東地区)、中筋源太審判員(男子競技・関西地区)、林拓史審判員(男子競技・関東地区)の3名が派遣されました。
また、現在、チェコで審判活動を行っている上妻百代審判員(女子競技・チェコ在住)も、チェコが派遣する審判員として参加していました。

■出場国
[男子競技]
アイルランド、イスラエル、イタリア、イングランド、ウェールズ、オランダ、スイス、スウェーデン、スコットランド、スペイン、スロバキア、チェコ共和国、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー
[女子競技]
アイルランド、イングランド、ウェールズ、オーストリア、オランダ、スイス、スウェーデン、スコットランド、チェコ共和国、ドイツ、フィンランド、ラトビア

■大会会場
試合は、アムステルダム・ボス公園という広大な公園の内にあるフィールドで行われました。
「ボス」とはオランダ語で「森」という意味だそうです。試合が行われたフィールドは公園敷地内のごく一部でした。木々に囲まれた芝生では、牛や馬が放牧され、鹿や孔雀も飼われていたようです。
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[左:公園風景 / 右:フィールド風景]

■大会風景
女子競技は12ヶ国が参加し、大会期間は8日間で、初日から7日目までは1日6試合、最終日は4試合が、2面のフィールドに分かれて行われました。初日は雨と風でとても寒く、この先、体がもつか不安になるような天気でしたが、2日目からは良く晴れて気持ちの良い天気が続きました。

大会中は3ヶ所のクラブハウスが解放され、クラブハウスから試合を観戦することも出来ました。また、審判員の昼食はクラブハウスで無料で提供されました。12時頃になると、バスケットに山盛りのサンドイッチが用意されました。
試合会場からは、バスまたはトラム(路面電車)に乗って30分位でアムステルダム中央駅に行くことができます。午前中の試合を担当した審判員は午後はフリーになるので、午前組のメンバーで午後にアムステルダム市内へ観光に行きました。
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[左:昼食として並べられたサンドイッチの山 / 右:アムステルダム市内]

■審判活動 (女子競技;福田彩審判員)
女子競技審判員は8ヶ国から24名が派遣されていました。
(8ヶ国;オーストリア、チェコ、イギリス、ドイツ、アイルランド、日本、スイス、アメリカ)
 
女子審判員のTechnical Delegate(審判員の統括者)であるドロシーさんのアイデアにより、試合会場には下の写真にあるポスターを掲示しました。「このバッチを付けている人がルールについて案内しますよ」という取り組みです。女子審判員は全員首からこのバッチを提げました。
また、女子競技審判員オリジナルのシャツも支給されました。
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[左:ルールガイドの案内ポスター / 右:女子競技審判員オリジナルシャツ]

大会の終盤には、各審判員が一つずつ持ち寄ったプレゼントの交換がおこなわれました。
そして、この素敵なメダルは、ドロシーさんから審判員全員に贈られたものです。
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[左:審判員の交流イベント / 右:審判記念メダル]

福田審判員が担当した最後の試合(スイスvsラトビア戦)での記念撮影。
左から、アメリカのロンさん、福田さん、Technical Delegateのドロシーさん、イギリスのエマさん、オーストリアのダニさん。ダニさんは妊娠6ヶ月の妊婦(!)でしたが、普段と同じようにダッシュしていました。
福田審判員

■審判活動 (男子競技;中筋源太審判員、林拓史審判員)
男子競技は、計16ヶ国から集まった、審判員36名、アセッサー(審判員の査定官)13名からなる、計49名の大審判団です。

男子競技の審判は、フィールド内・3名(主審1名・副審2名)、フィールド外・2名(Chief-Bench-Official・Bench Manager)で1試合を担当します。毎日1人1試合以上を担当し、アセッサー(査定官)により毎試合評価され、評価が良ければどんどん上位の試合を担当することになります。
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[左:試合風景 /右:試合を見るアセッサー(査定官)]
 
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 [左:試合前のミーティング / 右:試合前と異なり、夜は気軽な場で審判談義に花を咲かせます>

国際ルールは日本の国内ルールと基本的には同じですが、日本人よりも体格の大きい選手が多く、彼らのボディコンタクトは迫力があります。そのプレーを誰よりも間近で接することができることが審判活動の醍醐味の一つです。
日本国内よりも激しい接触に怯むことなく、冷静にジャッジすることが必要です。最初の数日は苦労しましたが、次第に慣れ、日本人審判2人はそれぞれ準決勝戦の舞台に副審として立つことができました。
さらに、大会での審判の成績と準決勝戦でのジャッジが評価され、5人目の審判員として林審判員が決勝戦を担当する審判団の1にに選ばれました。
中筋審判員林審判員
[左:副審として準決勝戦の舞台に立つ中筋審判員 / 右:決勝戦の5人の審判員(右端が林審判員)]


■大会所感
日本人の審判員は大会を通じて良い評価をいただきました。
試合を通じて、外国人の早いパス回しと広いフィールドを使ったプレーに対しても勤勉に走る姿が良い評価につながったようです。そして大会の中で指摘された点を試合ごとに修正し、よりよいパフォーマンスを出し続けたことが準決勝戦や決勝戦に選ばれた理由だと感じています。

日本のラクロスのレベルが高くなろうとする中で、審判員のレベルも同じように高いレベルでなくてはいけません。
このような海外の大きな大会で得るものはとても多く、日本の審判技術向上のためにはなくてはならないものだと思います。しかしながら、海外の大会に参加するなかで日本の審判技術も世界に通用することを強く感じます。
国内での審判活動が世界での審判活動に直結することを改めて感じることができました。

・Text&Photo:日本ラクロス協会公認審判員・福田彩、林拓史