【日本ラクロスの四半世紀・第29回】 2010年・男子日本代表、世界4位に
2012/12/12
2010年(平成22年) |
3月 | 第1回関東女子地区ユース対抗戦を開催(22日、東京・大井ふ頭中央海浜公園第1球技場) 地区内の1年生強化・育成活動を、継続的な活動として推し進めるため、関東地区をさらに6つの地区に分け、各地区ごとに1年生練習会を実施し、その締め括りとしてこの大会を開催した。 |
日韓男子中高生ラクロス交流試合を実施(27~28日、東京) ※当時のフィールドレポートはこちらから (アーカイブページが開きます) |
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4月 | 第1回LacrosseClubTeamClassicを開催(10日、東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場) この年、東日本クラブリーグが20回目を迎え、クラブリーグ創設当時のメンバーを中心に旧交を温め、更なるクラブチーム文化を発展させていくことを目的として行った。 |
6月 | 上海ラクロスクリニックを開催(第1回上海カップ、3~8日、上海・Yangpu Stadium) 中国でのラクロス普及支援およびラクロスを通じての国際交流を目的として行うChina Lacrosseとの共催行事であり、ラクロスクリニックには延べ100名の現地大学生が参加した。 |
第12回全日本ユース選抜選手権を初めて東北で開催(11~13日、宮城スタジアム、他) 2006年から全国大会開催地以外の地区で行うようになってから5年が過ぎ、その間に東海・中四国・九州・北海道・東北の5地区の全てでユース選手権を開催した。各地区においては、全国から選手が集まる大規模行事の運営ノウハウの蓄積にも繋がった。 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
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7月 | 中四国地区にて、中四国クラブチームリーグ戦の実施に向けたテスト大会を開催(4日、川崎医療福祉大学グラウンド) |
第11回男子ラクロス世界選手権大会が開催(15~24日、英・マンチェスター、参加30ヶ国) 予選リーグのPool Aでオーストラリア代表を初めて破った日本代表は、初めて3位決定戦に進出した。 惜しくも、3位決定戦は敗れたものの、日本代表の過去最高位となる4位という成績を収めた。 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
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この世界大会では、日本から招聘された審判員が5名となり、アメリカ・イングランド・オーストラリア・カナダに次ぐ規模の派遣となった。 | |
10月 | タイで初めて男子国際試合が開催(2日、タイ) 日本から志水研太郎審判員・近藤雄亮審判員が参加し、タイ 対 香港の国際試合の審判員を務めた。試合は、10-7でタイが勝利した。 |
日韓男女高校生ラクロス交流試合を実施(9~10日、東京) | |
NORTH CHALLENGE CUP(第1回北海道ラクロスチャレンジカップ)を開催。 (31日、北海道立野幌総合運動公園 ホッケー場) 北海道地区の学生チームとクラブチームの交流機会の増加を目的に行い、男女の学生1位・クラブ1位と、男子学生オールスターとクラブの、計3試合を実施した。 |
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12月 | 第21回全日本選手権大会を開催(決勝戦:19日、東京・江戸川区陸上競技場) 男子・FALCONSが、男女を通じて史上4チーム目となる3連覇を達成した。 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます) |
男子世界大会で日本代表が4位に |
この大会で男子日本代表は、「Blue Divisionでの初勝利」、「オーストラリア代表からの初勝利」、そして「初めて3位決定戦に出場」という活躍を見せた。同時に2014年以降の大会に向けた課題がよりはっきりと見えてきた。
大会終了後、男子日本代表・大久保宜浩ヘッドコーチは以下のメッセージを残している。
『試合内容、結果とも、非常に劇的でした。9日間で8試合、嵐のような連戦。息つく暇もなく、敵と戦い、その結果とも戦いました。
「4位」という結果は、日本の現在の実力です。イラコイが不参加だったことを踏まえれば、ほぼ想定通りの結果です。3位を争う力を身につけた、だが、3位になる力はない。
ここから、2014年、2018年に向けて、日本のラクロスは、本当の意味で世界と戦える力を身につけなければいけません。
「日本代表」は、日本のラクロスの代表です。日本のラクロスを強くしていきましょう。悲願のメダルは、すぐそこに見えています。』
また、この大会の審判として、日本からは、アメリカ、イングランド、オーストラリア、カナダに次ぐ5名が派遣された(その他に、日本国内で活動する外国人審判員2名も招聘された)。
日本代表の活躍と合わせ、日本人審判員の強化も示すことのできた大会となった。
[左:男子日本代表 / 右:オーストラリア代表に勝利し、応援者たちと喜ぶ選手たち]
[アタッカー・ミディー・ディフェンダー・ゴーリーの全選手が勝利を目指し全力を尽くした]
[チームスタッフは、コーチ陣、ストレングスコーチ、アナライジングスタッフ、トレーナー、マネージャー、通訳の8名]
[左:この大会の審判団(全63名) / 右:日本から招聘された審判員たち]
アジアに向けたラクロスを通じた国際交流 |
3月及び10月には、韓国から、男子中学生チーム、男女高校生チームが来日し、日本の男女高校生チームと交流試合を行った。
6月には、China Lacrosseと共催している行事を、従来の北京から開催地を変えて、上海で行った。
10月には、タイ国内における初めての男子国際試合が実施され、日本から2名の審判員を派遣した。
ラクロスを通じた、若い世代におけるこれらの国際交流が、将来に向かってより深く育まれていく事が期待される。
[左右:日韓男子中高生交流試合(3月)]
[左右:日韓男女高校生交流試合(10月)]
[左右:上海カップ(写真:2011年大会時)]
[左:タイにおける初の男子国際試合 / 右:参加した日本人審判員]
次のステージへと進むクラブ文化 |
「社会人になってもラクロスを楽しむ環境」という面では一定の域に到達し、生涯ラクロスへと続くセカンドステージに向かう段階に入ってきた。
そして、クラブチーム連盟において、「全国組織への発展と真のクラブ日本一を決める大会開催」「多様な年齢層やサポーター取り込みなどによるチーム組織拡大」「この2つを達成するために必要な連盟・チームのマネジメント能力の強化」の3つの目標を掲げ、セカンドステージの実現に向けて動き始めている。
20年目を迎えた関東地区では、チーム創設世代を始めとしたクラブチームのOB集めて、旧交を深め、更なるクラブ文化の醸成を図る事を目的として、「Lacrosse ClubTeam Classic」という大会をスタートした。
翌年に開催した第3回大会にはさらに多くのクラブチームOBが集まった。今後、ラクロスの活動からしばらく離れていたOBやその子どもも参加することができるイベントに発展していくことで、「多様な年齢層やサポーターが集まるクラブ文化」というスピリッツを具現化するイベントになっていくことが期待される。
[左:様々なチームから集まった参加者 / 右:創設代から現役まで集まり、ユニフォーム・防具の変遷も分かる]
[左右:2011年に開催した第3回大会。回数を重ねるにつれ、さらに多くのクラブチームOBが集まった]
中四国地区では、将来の日本クラブチームラクロス連盟支部化と中四国クラブチームリーグ戦の実施に向け、地区内で活動するクラブチームを集めて、7月にクラブリーグ戦のテスト大会を実施した。
そして、翌年(2011年)の中四国ラクロスリーグ戦は、「学生チームブロック」「クラブチームブロック」に分け、クラブリーグ戦のプレ大会となる形で実施するとともに、リーグ戦後にクラブチームによる単独運営行事としてクラブチームブロック1位チームと関西のクラブチームによるトライアルゲームも実施し、中四国クラブリーグ戦のスタートに向け、一つ一つ準備を進めていった。
[左右:2011年に実施した中四国クラブトライアルゲーム(岡山・笠岡総合スポーツ公園陸上競技場)]
北海道地区では、事務局内学生連盟の運営能力が高まり、日本学生ラクロス連盟支部化の気運が高まってきたことを受け、この年からクラブチームはエキシビションでのリーグ戦参加となった。
これに伴って学生・クラブ間の交流機会が少なくなることを想定し、リーグ戦後に学生・クラブ間の交流試合として「NORTH CHALLENGE CUP(第1回北海道ラクロスチャレンジカップ)」を開催した。
クラブチームにとって、エキシビションも含めた試合以外で接する機会が少ない学生チームと交流し、クラブチームの魅力を伝えることのできる貴重な機会となった。
[左右:北海道ラクロスチャレンジカップ(2011年・第2回大会)]
大会結果 |
世界大会 | 優勝 | 日本代表の成績 |
第11回男子世界選手権大会 | USA | 総合4位 |
国際試合 | 来日チーム(男子) | 来日チーム(女子) |
第22回ラクロス国際親善試合 | University of Notre Dame、 USA Starz |
Loyola University、 West Coast Force |
全国大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第21回ラクロス全日本選手権大会 | FALCONS | Sibylla |
第2回全日本大学選手権大会 | 早稲田大学 | 日本体育大学 |
第12回全日本クラブ選手権大会 | VALENTIA | MISTRAL |
第12回全日本ユース選抜選手権 | 関西ユース選抜 | 関東ユース選抜 |
地区大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第16回北海道ラクロスリーグ戦 | 北海道大学 | 北海学園大学 |
第17回東北ラクロスリーグ戦 | 新潟大学 | COUGARS |
第23回関東学生ラクロスリーグ戦 | 早稲田大学 | 日本体育大学 |
第19回東海学生ラクロスリーグ戦 | 名城大学 | 南山大学 |
第21回関西学生ラクロスリーグ戦 | 京都大学 | 同志社大学 |
第18回中四国ラクロスリーグ戦 | 岡山大学 | 川崎医療福祉大学 |
第19回九州ラクロスリーグ戦 | infinity | 西南学院大学 |
第20回クラブチーム東日本リーグ戦 | VALENTIA | MISTRAL |
第17回クラブチーム西日本リーグ戦 | 関西ラクロスクラブ | NLC SCHERZO |
中高生大会 | 優勝(女子) |
第15回Teen'sCup | ブレイブユース(東京成徳大学高等学校) |
Teen'sCup関西 | (*非協会主催行事(関西高等学校女子ラクロス連盟主催)で開催) |
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