第24回ラクロス全日本選手権大会・女子決勝(2)

2013/12/20

日時:2013年12月15日(日) 14:30試合開始
場所:東京・
江戸川区陸上競技場

MISTRAL(クラブ選手権1位) vs NLC SCHERZO(クラブ選手権2位)

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スコア
チーム
前半 後半
TOTAL
MISTRAL
6
5
11
NLC SCHERZO
5
2
7
ゲームレポート
2013年12月15日(日)、東京都(江戸川区)・江戸川区陸上競技場にて第24回ラクロス全日本選手権決勝戦を行った。対戦カードはそれぞれ準決勝を勝ち抜いてきたMISTRAL (以下、MIS)とNLC SCHERZO((以下、NLC)であった。決勝戦にふさわしい晴天に恵まれたなか、日本一をかける両者の白熱した試合が行われた。

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[左:多くの応援横断幕が掲げられたMISTRAL応援席/右:緑色の応援グッズを揃えたNLC SCHERZO応援席]

14時35分試合開始、ドローを制したのはMIS。そのままセットオフェンスに持ち込み、正確なパス回しで序盤から積極的にシュートチャンスを狙う。開始から2分、MIS#11和田が素早く左裏から走り込み、NLCのディフェンスが追いつけないまま華麗なシュートを決め、MISが先制点を挙げる。先制点を奪われたNLCは次のドローを制するものの、すぐにボールを獲られてしまい、再びMIS#11和田による2点目を許してしまう。

しかし、NLCはここから一気に反撃にかかる。ボールポゼッションをとったNLCは、MISのプッシングによって得たフリーシュートを#12浅井がしっかりとものにし、2-1、その後、的確なパスによる連携プレーで#21高橋がシュートを決め、同点と追いつく。NLCの勢いが止まらず、続けてNLC#57志渡が右上からのパスを受け、ゴールに叩き込むようなシュートを決め、逆転に成功する。

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NLCが勢い付き、試合の流れがNLCに引き寄せられたように見えたが、MISは黙ってはいなかった。ドローを獲ったMISはNLCを寄せ付けない速攻の2対1でシュートまで行くが、ここは惜しくも外れチェイス。チェイス後のNLCの攻撃では、シュートをMIS#4西がナイスセーブをし、すぐにMISボールとする。そして右裏からのアシストをゴール前で受けた#12水野が体をひねりながらもシュートを見せ、3-3の同点とした。

続けて追加点を狙いたいMISは、その後も果敢に攻めるものの、なかなか得点とはならない。対してNLCもシュートまで行く場面も見せるが、ミスが相次ぎ、MISのディフェンスを破れない。その後、NLC#4富田のセーブでNLCボールとなり、右上からの1対1で#10井倉に点を決められ、MISは突き放されてしまう。追いつきたいMISはここでチームタイムアウト。タイムアウト後、MIS#16江川、#11和田により、2点連続で決めたMISはリードを取り戻す。負けていられないNLCは追う展開となるが、ゴール正面へと切り込む素早いカットでディフェンスに囲まれながらもシュートを決め、粘りを見せる。

残り30秒。ドロー後の混戦からボールをキープするのはMIS。#11和田、ゴール前15m上でパスを受け取り、ゴールへと向かう。NLCのディフェンスは次々と向かって来るが巧みなスティックワークで和田はボールを操り、前へと進む。ラスト4秒。右下に押された#11和田はシュートを撃ち、わずかなディフェンスの隙の間から見事にゴールに打ち込む。NLCが思わず地面にしゃがみ込んでしまうほど見事なシュートであった。

前半は6-5、MISリードで終わる。

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後半。前半最後のMISの勢いに圧倒され、同点としたいNLCであったが、MISの勢いは後半に入ってもとどまるところを知らない。後半開始から27秒、相手のディフェンスを翻弄させるようなパス回しから、右上#12水野が力強いスイングで点を決める。2分30秒には、ディフェンスに押されながらも、#11和田が右上からゴール裏へと回り込んでシュートを決め、8-5とし、さらに点差をつける。

後半に入り調子を取り戻せないNLCはここでタイムアウト。一気に巻き返したいNLCはタイムアウト後、MISのシュートをセーブし、NLCボールとするものの、MISの徹底した固いディフェンスに苦しめられ、なかなか前へとボールを運べない。チェックでボールを奪ったMISは、#11和田が左裏に走り込むように見せかけ、素早い切り返しでディフェンスを惑わしてシュートを決める。このNLCディフェンスの意表をつくようなMIS#11和田の技ありの動きに観客からはどよめきの声が上がり、会場のボルテージは最高潮に。

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4点差をつけられてしまったNLCは、常にシュートを狙いに行くが得点とはならない。MISはNLCのゴールを攻め続けるが、NLCの#4富田が立て続け にナイスセーブをみせ、両者一歩も引かない状態が続く。NLCは、MISにボールを獲られ、必死に奪い返そうとするがファールが目立つようになり、ついに は イエローカードを出されてしまう。均衡状態を破りたいNLCはここでタイムアウトをとり、仕切り直しにかかる。タイムアウト後、気持ちを入れ替えたNLC は#5木村が右裏から1対1を仕掛け、得点を決める。9-6で3点差。

両チームの攻防が続くも、お互い得点には結びつかない。焦るNLCはゴーリーが痛恨のファールをしてしまうがこの危機的状況をなんとかしのいだ。この後もお互いの駆け引きは続くも互いにシュートは決まらない。そして後半残り1分半、NLCのプッシングによりMISボールとなる。NLCのディフェンスの裏をとっていた#3勝見がパスをもらい、そのままフリーの状態で点を決め、豪快なガッツポーズを見せる。10-6となり、MISが差を広げる。だがNLCも最後まで攻めの姿勢を崩さない。意地のディフェンスでMISのラインアウトを誘い、左上#10井倉が11m上からNLCのあきらめない想いを込めたロングシュートを決めた。

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ラスト1分を切り、このまま試合も終わるかと思われたそのとき、MIS#11和田がNLCのパスのインターセプトのこぼれ球をそのまま拾い、ゴーリーとの1対1で本日7得点目となるだめ押しの1点を決めた。

最後のドローがあがり、そこで試合終了のホイッスルがなった。
11-7でMISTRALが勝利を納め、日本一の栄光をつかんだ。

最後まで懸命に戦い続けた両チームの勇敢な戦いに会場が終始湧き続けた試合であった。

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・Text:全日本選手権大会実施本部(東京会場)ゲームレポート班・小野坂規賀子(国際基督教大学)、市川倫子(中央大学)
 ・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満、日本ラクロス協会広報部・陶器淳、肥後洋平