【日本ラクロスの四半世紀・第25回】 2007年・広がるLacrosse Makes Friendsの場

2012/09/03

 2007年(平成19年)
4月 第3回アジアパシフィックトーナメントに参加(1~7日、ニュージーランド)
  ※出場:21歳以下男子日本代表
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6月 第19回ラクロス国際親善試合を開催(10~30日、東京都・豊田市・大阪市・札幌市)
北海道地区での初開催となった札幌大会を含め、4会場で開催した。
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7月 香港ラクロス協会からの依頼により、香港・男子ラクロスクリニックに指導者を派遣(19~22日)
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8月 第4回IFWLA19歳以下女子世界大会(3~11日、カナダ・ピーターポロー、参加・11ヶ国)に参加
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11月 地区間クラブ交流戦を開催(関西:11/3、舞洲運動広場/関東:11/17、町田市内)
クラブチーム連盟に加盟していないチームも含めたクラブチーム間の交流と、将来の全国規模でのクラブ選手権大会を想定して実施した。
[参加:男子]北海道・北海道ラクロスクラブ他、東北・仙台ラクロスクラブ、関東・FALCONS、関西・ARM ARTISTA、九州・infinity
[参加:女子]東北・COUGARS、関東・ssgat、東海・有志合同、関西・有志合同、九州・F・EMPRESS
12月 アジア普及協力の一貫として、インド代表団を招聘しクリニックを開催(6~10日、東京)
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第1回関東ソフトラクロス大会を開催(16日、江戸川区内)
1996年から続いてた江戸川区ソフトラクロス大会を衣替えして実施した。
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 広がり続ける「Lacrosse Makes Friends」の場
日本ラクロス協会設立20周年を迎えたこの年は、日本ラクロス協会基本理念の1つである「Lacrosse Makes Friends」の場が、さらに広がっていることを示す年にもなった。

国内では、国際親善試合を2000年以来、7年振りに4地区で開催し、また北海道地区で初めて開催した。
(東京大会、豊田大会、大阪大会、札幌大会)
北海道の選手たちにとって、「来日チームの高い技術」に目を奪われるだけでなく、 「未知なる相手との対戦経験」、「所属チーム以外でプレイすること(選抜チーム)」の大切さを感じるきっかけともなり、「Lacrosse Makes Friends」を積極的に行っていこうとする機運に繋がっていった。
国際親善試合・札幌大会1国際親善試合・札幌大会2
国際親善試合・豊田大会1国際親善試合・豊田大会2
国際親善試合・大阪大会1国際親善試合・大阪大会2
[上段:札幌大会 / 中段:豊田大会 / 下段:大阪大会]

社会人ラクロスでは、クラブチーム連盟に加盟していない北海道・東北・中四国・九州の選手・チームも含めたクラブチーム間の交流を育むために、地区間クラブ交流戦を開催した。
また、小学生ラクロスでは、1996年から続いていた「江戸川区ソフトラクロス大会」を、「関東ソフトラクロス大会」に衣替えし、第1回大会を開催した。
限定的な関わり方しかできていなかったこれらのラクロスチームに対し、将来も見据え、しっかりと交流できる場所を作ることは、「Lacrosse Makes Friends」を具現化するために、とても重要なものであった。
関東ソフトラクロス大会1関東ソフトラクロス大会2

また、国内だけでなく、海外の選手との交流も行われた。
香港ラクロス協会からの指導者派遣依頼は、日本と香港のラクロス環境が近いというだけでなく、世界大会で5~6位という好成績を残していることを判断材料として行われたものであった。
そして、アジア普及協力の一環としてのインド代表団の招聘は、過去3年間に渡る交渉の末に実現したものであった。
どちらも、過去の積み重ねを評価されてのものであった。
香港ラクロスクリニック1香港ラクロスクリニック2
インド代表団クリニック1インド代表団クリニック2
協会スタッフ(香港ラクロスクリニック)協会スタッフ(インド代表団クリニック)
[上段:香港ラクロスクリニック/中段:インド代表団クリニック/下段:各クリニックに携わった両国のスタッフたち]

この年の「ラクロスマガジンジャパン」に掲載されているインタビューで、初代理事長ノリオ・エンドー氏は以下のように述べている。
『クロスを持って、外国へ行ったら、そこから「君、ラクロスやってるの?」と新しい友情が始まる、
そういう世界であって欲しいと思うし、今も実際そうでしょう?
そしてこれは、I hopeでなく、I knowなんだよ。』
ノリオ・エンドー氏
(協会設立20周年に合わせて来日したノリオ・エンドー氏)


 国際大会における日本ラクロス
この年に開催された2つの国際大会には、19歳以下女子日本代表、21歳以下男子日本代表が参加した。
最終結果だけを見ると日本と世界トップレベルの差を感じる結果であった。

19歳以下女子日本代表は、前大会と同じく、最終順位は5位であった。
しかし、「相手のボールを奪った回数(caused turnover)」では、アメリカと並んでトップの数字を得た。
21歳以下男子日本代表は、今大会でも、オーストラリアから勝利を得ることができなかった。
しかし、大会で得た気付きを糧に、2ヶ月後の国際親善試合で米・カリフォルニア大学バークレー校に、17-4で勝利した。

大学生から始める選手が多いという日本ラクロスの環境にも関わらず、参加した若い日本代表は、それぞれの手応えを感じる点もあり、今後のナショナルチームでの活躍を期待させられた。

19歳以下女子日本代表119歳以下女子日本代表2
[右:世界大会前に行われた国際親善試合で、『奪う』をテーマにしたラクロスを見せる19歳以下女子日本代表]
世界大会1世界大会2
[左右:第4回IFWLA19歳以下女子世界大会を戦う19歳以下女子日本代表]

ASPAC1ASPAC2
[左右:第3回アジアパシフィック大会を戦う21歳以下男子日本代表]
ASPAC3第19回国際親善試合(東京大会)
[右:アジアパシフィック大会から帰国後の国際親善試合で、成長した姿を見せ勝利した21歳以下男子日本代表]

 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第4回IFWLA19歳以下女子世界大会 USA 総合5位
第3回APLUアジアパシフィック大会 オーストラリア 総合2位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第19回ラクロス国際親善試合 米・カリフォルニア大学バークレー校 米・メリーランド大学ボルティモア校
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第18回ラクロス全日本選手権大会 VALENTIA MISTRAL
第9回全日本クラブ選手権大会 VALENTIA MISTRAL
第9回全日本ユース選抜選手権 関東ユース選抜 関東ユース選抜
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第13回北海道ラクロスリーグ戦 Space TravelerS 北翔大学
第14回東北ラクロスリーグ戦 仙台ラクロスクラブ 東北大学
第20回関東学生ラクロスリーグ戦 日本体育大学 日本体育大学
第16回東海学生ラクロスリーグ戦 名城大学 南山大学
第18回関西学生ラクロスリーグ戦 関西学院大学 同志社大学
第15回中四国ラクロスリーグ戦 岡山大学 CURIOUS
第16回九州ラクロスリーグ戦 西南学院大学 西南学院大学
第17回クラブチーム東日本リーグ戦 東日本ラクロスクラブ MISTRAL
第14回クラブチーム西日本リーグ戦 HELP NLC SCHERZO
中高生大会 優勝(女子)
第12回Teen'sCup   ブレイブユース東京成徳大学高等学校
Teen'sCup関西   (*非協会主催行事(関西高等学校女子ラクロス連盟主催)で開催

『第26回 特集・開拓者からのメッセージ(3)』 へ続く

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